「やらないで後悔するよりやって後悔した方がいい」
どこかで一度は聞いたことのあるフレーズではないだろうか。
新しいことにチャレンジしたいがリスクを考えてなかなか一歩を踏み出せない・・・そんな人の背中を押してくれる「勇気の出る素晴らしい言葉」というのが一般的な解釈だと思うが、私はこの言葉が大嫌いだ。
やらない後悔とやった後の後悔は同じ後悔ではない
まず、この言葉を前向き言葉と捉えている人は、やらない後悔とやった後悔では全く違う後悔になるということを考えていない。なんとなく「同じ後悔するなら・・・」みたいな言い回しになっているが、そもそも同じ後悔にはなるはずがないのだ。
やらなければ借金ゼロ、やってしまえば借金1000万
例えば、新規事業を始める時を考えるとわかりやすい。どうしようと悩んだ挙げ句、新規事業を諦めれば借金はゼロだが、スタートさせれば借金が1000万。前者はやっぱり「あの時やればよかったなぁ」と笑いながら話せるが、後者は事業が上手く行かなくなった時、果たして笑って後悔できるだろうか。
自分への免罪符
そもそも、後悔をすることが前提なんて前向きでもなんでもない。多分、この言葉を発する人は、行動を起こしたとしても上手く行かないということを自分自身で分かっているのだ。それでも行動を起こす自分への免罪符としてこの言葉を利用しているのだろう。
必要なのは後悔しない生き方
私自身、人生を振り返るとあの時やらなければよかったと思うことがいくつかあるが、その一方で失敗しても全く後悔していないこともある。多分その違いは自分自身がやるだけやったと思えるかどうかではないか。つまり後悔するかしないかはその人次第であり、最初から後悔を前提にしているのであれば、行動など起こすべきではないというのが現在の私の考えだ。きっと大事なのは後悔しない生き方をできるかどうかで、今この記事を書きながら改めて自分に言い聞かせている。